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読書力を身に付けるとどうなりますか?


読書力を身に付けるとどうなりますか?

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■読書力を身に付けるとどうなりますか?

小中学校の子どもを持つ保護者様から、よく寄せられる相談として、読書力のお話があります。「ウチの子、本を全く読まず、国語が苦手なんです。読書力が全くないんです。」といった類のものです。しかし読書力は、国語に限ったものではありません。他教科の学習にも大きな影響を与えるものなのです。

■読書力ってなに?

まずは、そもそも読書力とは何か?ということについて説明していきます。
読書力とは、端的に言うと『文章を読み解く力』です。

実際に、国語のテストの文章が読めない、何を書いているのか分からないというケースは多く、内容が理解できるか、できないかが、論点になることが多いです。

ただ仮に、文章内容を正確に読み取れたとして、それで良いということはありません。

例えば学校の国語のテストでは、

「この時の登場人物の気持ちを20字以内で書きなさい」
「筆者が最も言いたかったことは何か。40字以内でまとめなさい」
「筆者の主張に対する自分の意見を、100字以内でまとめなさい」

という類の問題が必ずと言っていいほど出題されます。
文章内容を理解できたとしても、その情報を解釈し自分の意見を論じることができるかどうかは、また別問題になります。

「内容は分かったんだけど、何て書いたら良いか分からない」

これもよくあるお悩みの一つです。

つまり読書力とは、文章内容を正確に読み取った上で、その内容を解釈・熟考し、自分の意見をまとめて論じたり、問題を解決する能力となります。

また、これは文章だけに限りません。例えば、図・グラフ・表から、その情報を読み取り、理解する力もまた読書力になります。

【読書力とは?】

文章内容(または図・グラフ・表)を正確に読み取る力
文章内容(または図・グラフ・表)を解釈し、熟考する力
文章内容(または図・グラフ・表)に対して、自分の意見を論じる力

■読書力が付けばどうなるの?―数学編―

読書力は、全ての学力の「土台」とよく言われます。
なぜそうなのか?
それを紐解くことによって、読書力が身に付けばどうなるかが見えてきます。

国語を除く、小中学校の主要科目と言えば、英語・数学・理科・社会です。
最もよくあるお悩みは、数学の文章問題が苦手というものです。

実際に、計算問題は得意だけど、文章問題になったとたん、できなくなる子は多いです。
理由は簡単で、文章の意味が読み解けないからです。

例えば、以下のような数学の問題があるとします。

【問】
連続する3つの自然数があります。中央の数の4倍した数は、最も大きい数と最も小さい数の差を10倍した数に等しい。その3つの自然数を求めなさい。

まずは、「自然数」という言葉の意味が分からない時点で、「難しい」「できない」という発想に陥ってしまいます。ここから、「語彙力」も読書力の内であるということが言えます。

次に、数学で連続する3つの自然数は、「n-1、n、n+1」と表します。

次に、「中央の数の4倍した数」と「最も大きい数と最も小さい数の差を10倍した数」が等しい。この部分から、『最も小さい数=n-1、中央の数=n、最も大きい数=n+1』であることが読み取れるかどうか。「中央の数の4倍=4n」と解釈できるかどうか。

このように、文章からその意味を読み取り、解釈し、式を立てられるかどうかがポイントになります。

この場合は、4n=10{(n+1)-(n-1)}となり、これを解けば答えが出ます。

「この計算だけだったらできるんだけど」

そんな子は多いと思いますが、文章問題で出題された場合は、問題を読み解いて立式できず、正答率がガクンと落ちてしまいます。

つまり、読書力が身に付けば、数学の成績も間違いなく上がります。

■読書力が付けばどうなるの?―社会編―

早速ですが、問題です。

問1:3世紀頃、邪馬台国を形成した人物は?

答えは「卑弥呼」です。
単純な問題であれば、言葉を暗記していれば成績に結びつきやすい科目が社会です。
では、次の問題です。

問2:3世紀頃、邪馬台国を形成した人物は卑弥呼ですが、
そのころ朝貢していた国名はなんですか?

答えは「魏」です。
問1よりも、問2の方が難しく感じると思います。

しかし、どちらも教科書レベルの問題です。
問1は、「邪馬台国=卑弥呼」と、「単語だけの繋がり」を覚えていれば答えられます。

問2は、まずは「魏」という国名を覚えている上で、中国では魏・蜀・呉の三国に分かれており、その頃日本では卑弥呼が邪馬台国を形成していた。そして、魏に朝貢していた、という時代背景まで把握しておく必要があります。そのため、問1よりも難しく感じるのです。

歴史の教科書には以下のような説明があります。

3世紀になると、中国では後漢がほろび、魏・蜀・呉の三国に分かれて争いました(三国時代)そのころ、日本列島には邪馬台国という国があり、魏に朝貢しました。

これを読んでいれば、問2は決して難しい問題ではないことが分かります。
更に言えば、問題には答えられなかったが、「魏」という言葉は知っている、というケースは非常に多いと思います。

「な~んだ。(その国名)知ってる。知ってる。」

となり、やり直しをしないのが王道パターンです。(その後、テストで再度出題された時には忘れてしまっているので、また間違えることになります)
結果的に、問1よりもテストでの正答率は下がるでしょう。

そういうことが何故起こるかと言うと、そもそも教科書をきちんと読んでいない(読めていない)ことが当然の原因です。
「きちんと読んでいない(読めていない)」にも色々要因があり、

①漢字が読めない(例:魏(ぎ)・蜀(しょく)・呉(ご))
②言葉の意味が分からない。(例:朝貢(ちょうこう))
③文章を単語でしか見ていない。
(「邪馬台国」や「魏」という言葉は知っているが、「邪馬台国⇒魏に朝貢していた」と、繋がりが理解できていない。)

このことから、読書力がつくと、1つの文章から様々な情報を読み取り理解することができます。これはまた、どんな角度からテストで問題が出題されても対応できることに繋がります。単語は頑張って暗記したのに、テストになるとできないという現象は、読書力が一つの要因になっていると言えます。

■読書力が付けばどうなるの?―理科編―

i1理科に関しては、物事のしくみを理解しないといけないので、より複雑です。
一般的に中学1年生の1学期に習う「植物」の単元を例にしてみます。

『光合成』

一度は誰もが聞いたことのある言葉だと思います。
教科書の説明を見てみると、以下のように書いています。

光合成とは、細胞の中にある葉緑体が光を受けて、水と二酸化炭素からでデンプンなどの栄養素をつくり出すはたらきのことである。

これを踏まえて問題です。

問:植物は光を受けて、水と二酸化炭素からでデンプンなどの栄養素をつくり出し
ますが、そのはたらきには何が必要ですか?

よくある間違い①:「光合成」
よくある間違い②:「日光」

まず①について。
光合成は、デンプンなどの栄養素をつくり出すはたらき自体のことを指します。
よって、「そのはたらきには何が必要ですか?」の、「はたらき」が「光合成」になります。
光合成に必要なものを聞かれているので、間違いになります。

次に②について。
確かに光合成には日光は必要ですが、そもそも問題の初めに、「植物は光を受けて」と書いてありますので、「日光」が必要かどうかを問われている訳ではありません。
(更に言えば、日光以外の光(電球など)でも光合成を行う場合があります。)

答えは、「葉緑体」になります。

恐らく、教科書の説明を読んだ直後でも、上記のよくある間違いは、しやすいものです。
しっかり読んだつもりでも、間違えてしまうこともあります。

問題文の、「植物」「光」という単語を見ただけで、「光合成」と解答してしまう中学生は実際多いのではないかと思います。
問題で何を聞かれているか?を読み取らずに、単語だけ見て答えてしまう訳です。

■読書力が身に付けばどうなるの?―英語編―

英語は、まさに「言語」の科目です。国語も同様です。
ゆえに、読書力がついていない場合、直接的に影響してきます。

例えば、以下の英文(会話文)をご覧ください。

Yoko:I see. People in Japan learned many things from cultures in Europe. And, some artists in Europe learned a lot from Japan culture, right?
Mr. Ito:That’s right.
Yoko:I think we can understand our own culture better through learning many things about the cultures of other countries.
Hans:I have the same idea, Yoko.

問題:本文中のthe same ideaの表している内容を述べたところが本文中にあります。その内容を日本語で書きなさい。

これは、実際の大阪府公立高校の入試問題から抜粋したものです。
会話文は、英語のテストでは頻出の問題です。

内容を要約すると、以下のようになります。

日本の人々はヨーロッパの文化から、たくさんのことを学びました。また、ヨーロッパの芸術家たちも、日本の文化からたくさんのことを学びました。私たちは、他の国の文化を学ぶことを通じて、私たち自身の文化をより良く理解することができます。

問題になっている、Hansさんはこの内容に対して、”I have the same idea, Yoko.”と、言っています。
つまり、『私たちは、他の国の文化を学ぶことを通じて、私たち自身の文化をより良く理解することができる』それに対して、『同じ考えだ』と、言っています。

さて、読書力の話に戻ります。
会話の内容を読み取ることも、読書力に含まれます。
しかし、しっかり理解するまでには、3つの段階があります。

【読み取りまでの段階】
② 単語の意味が分かるかどうか。
②文章を文章として捉えているかどうか。
③登場人物の主張が分かるかどうか。

① は、言うまでもありません。数学編で述べた通り、語彙力も読書力の内です。

次に、単語の意味が分かったとして、文章を文章として捉えられているかどうかが問題です。それが②です。社会編でも述べたように、単語単位でしか文章を見ていない子は、非常に多いです。
“Japan” ”Europe” ”culture”などの単語から、「日本とヨーロッパの文化の会話」という短絡的な解釈をしてしまうと、文章の本質を見逃してしまうことになります。

また、そもそも登場人物を把握しているかどうかも問題です。「Yoko」「Mr. Ito」「Hans」の3名の会話文ですが、これを読んだ後に、「登場人物は誰が出てきましたか?」と聞いて、すぐに答えられる中学生は案外少ないのではないかと思います。
もちろん会話文に限らず、登場人物を把握することは、読書の基本中の基本です。

そして③です。各人物の会話を読み取った上で、「the same idea」とは何か?を理解する必要があります。Yokoさんの発言の後で、Hansさんが同調していますので、Yokoさんの発言の中に答えがあることになります。

英語は、単語力を身につけ、文法ルールが分かれば、英語力の向上は見込めます。
しかしあくまで言語ですので、文章としての意味を理解する読書力は必然的に必要になるのです。

■まとめ

このように、読書力は勉強と切っても切れない関係にあります。しかし、これは一朝一夕に身に付くものではありません。まずは、言葉の意味をしっかりと知ること。そして、最初はゆっくりでも良いので、文章の端から端まできちんと読むことが大切です。読書力を身に付けることが、全ての学力の向上に繋がることを知っておきましょう。

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