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大阪府立高校の入試制度について教えてください!


大阪府立高校の入試制度について教えてください!

大阪府立高校の入試制度について教えてください! 日頃、中学生のお母さんとお話をしていると「高校の入試制度が昔と変わってしまって、よくわからないです」というお悩みをよく聞きます。
そこで今回は、大阪府立高校の入試制度をわかりやすくご説明します。

まず現在の大阪府の公立入試制度をご説明し、それぞれの制度に対してどのような捉え方をすべきか、具体例をまじえてご説明します。
また、来年(平成29年度入試)から変化する部分についても、ご紹介します。

現在の大阪府公立入試制度について

来年(平成29年度入試)にも変更点はありますが、基本は今年(平成28年度)からの入試制度がベースとなりますので、まずは現在の大阪府公立入試制度をご説明します。
知っておくべきことを挙げますと以下の4つに大分出来ます。

①内申点は絶対評価 … トップクラスの戦いが更に実力重視に…。
②チャレンジテストの実施 … 中学校でのテストが低くても挽回が可能?
③前期入試の撤廃 … チャンスは1回で5科目の勝負!
④自己申告書の導入 … 点数に表れない、高校とのマッチングを重視。

内申点は絶対評価 → トップクラスの戦いが更に実力重視に…。

 内申点の評価方法は、昨年から絶対評価となっています。評価は1~5の5段階です。
絶対評価とは一言で言えば「良い点数を取れば高い評価」という意味です。当たり前のようですが平成27年度入試までは、その前に“周りと比べて”という言葉が入りました。
つまり「“周りと比べて”良い点数を取れば高い評価」でした。(相対評価といいます)。

絶対評価になったということは、例えば80点を取れば、周りで90点を取った人が多かったとしても関係無く、高い評価がもらえるようになったということです。
ではこの変化は生徒達にとってどのような意味をもつのでしょうか。以下、簡単に表にまとめました。
※かなり大まかな表現ですので、あくまで参考程度にご覧ください。

絶対評価への変化は、生徒によってどんな意味を持つのか?

絶対評価への変化は、生徒によってどんな意味を持つのか?

90点~100点の生徒
相対評価では点数の高い順に、高い評価が振り分けられます。
絶対評価では“トップクラス”というまとまりに対して一律で 高い評価が与えられます。100点の生徒が85点の生徒と同じ 評価になったりするので、100点の生徒からすると絶対評価は 少し“割に合わない”と感じるかも知れません。
80点~90点の生徒
もう少しでトップ集団、という点数層です。ですが、絶対評価で5段階ということもあり、“トップクラス”扱いとなり、しっかりと高い評価がもらえます。これは嬉しい事でしょう。
60点~80点の生徒
中学校での平均点を少し上回る層です。90点以上を取る生徒が多量にいる中学校もあり、その場合は相対評価だと高い評価は期待出来ません。しかし、絶対評価になったことで、その心配は消えました。逆に言うと点数通りの評価となる訳ですから、生徒としては、言い訳が出来なくなったと言えます。
40点~60点の生徒
中学校での平均点、もしくは少し下回る層です。絶対評価で、基本的に点数通りの評価がくだることに変わりはありません。ただ、中学校により0点~40点の生徒が多数存在する場合があります。その場合は“もし相対評価ならば良い評価だったのに…”という事になるでしょう。
0点~40点の生徒
上記とほぼ同じですが、厳しい評価となることは避けられないでしょう。もし相対評価だったとして、0点~20点の層が多数いるのであれば30点台でも希望が見えますが、かなりのレアケースです。

以上のように、絶対評価となったことで、トップクラスの生徒は内申点では差が付かない為、入試本番の実力重視になりました。
また、80点未満の生徒にとっては自分の点数が評価に直結するため、言い訳が出来ない評価環境となったと言えます。

学力検査(入試本番)と内申点がどのような比率なのかは、高校によって異なります。
学力検査:内申点=「3:7」「4:6」「5:5」「6:4」「7:3」のいずれかです。
当日重視と内申点重視について

学力検査は、一科目90点満点×5科目の、450点満点です。 
内申点は、5点満点×9科目×10の、450点満点です。
タイプ別にまとめると、以下の通りです。
内申点タイプ分け

また、平成30年度入試から内申点は、1年生から入試に関係します。
比率は、1年生:2年生:3年生=「1:1:3」です。
内申は基本的に5点満点×9科目の45点満点ですが「1年:2年:3年」がそれぞれ、「9点満点:9点満点:27点満点」に換算され3年間の合算(9+9+27=45点満点)で入試時の内申が決まります。
 来年(平成29年度入試)は移行措置として、2年生:3年生=「1:3」での換算となります。

チャレンジテストの実施 → 中学校でのテストが低くても挽回が可能?!

 どの高校を受けるにしても、内申点は高いに越したことはありません。その中で、中学校によって定期テストの難しさにズレがあると、不公平が生じてしまいます。
それを避けるべく、「チャレンジテスト」というものがあります。
以下の引用は平成28年3月30日大阪市教育委員会発表の、「平成29年度大阪府公立高等学校入学者選抜における調査書に記載する評定等に関する方針」です。
チャレンジテストの評価基準について

http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000349/349540/h29houshin.pdf

 簡単に言うと、中学校の定期テストが難し過ぎるせいで、絶対評価による内申点が不当に低くなってしまわないようにする措置です。
A君とB君を例にご説明します。

今、定期テストが他中学より難しいB君が、絶対評価で損をしている状態です。
A君・B君の評価例

しかし「チャレンジテスト」の結果、『A君の内申点は3以上とせよ』、また『B君の内申点は4以上とせよ』と大阪府教育委員会からのお達しが来ました。
(B君の方が、点数が良かったのでしょう。)これにより、A君はそのまま内申「4」。B君は、晴れて内申「4」をもらえました。B君の実力が、中学校の定期テストの難しさだけに左右されず、評価されたということです。
むしろ、A君はB君と同じ内申と思って油断せず、五ツ木模試などの偏差値でしっかりと自分の位置を把握しておくべきです。
「チャレンジテスト」でどれくらいの点数を取れば「3以上」なのか、「4以上」なのか。それに関してはまだ決まっていないようです。
ただ、チャレンジテストの前身とも言える昨年の「大阪市統一テスト」では、
上位 6% … 必ず「5」
上位18% … 必ず「4以上」
上位39% … 必ず「3以上」
という具合でした。おそらく、ここから大きくズレはしないのではないかと思います。

前期入試の撤廃 → チャンスは1回で5科目の勝負!

 平成27年度入試までは「前期入試」「後期入試」の2回でしたが、28年度入試からは「一般選抜」原則1回となっています。
※美術・体育など実技・面接を伴う学科は「特別選抜」となります。
普通科・文理学科・英語科などが全て「一般選抜」扱いとなりますので、同じ高校内の、複数学科へ出願が可能です。
例えば普通科と英語科がある高校ならば『第一希望・英語科』『第二希望・普通科』のように出願できます。
科目は5教科(英・数・国・理・社)です。理科と社会は共通問題ですが、英語・数学・国語に関しては3種類の難易度(A・B・C)の中から、各高校が問題を指定します。
Aが基礎、Bが標準、Cが発展、という位置付けです。このことは、後で述べる来年(平成29年度入試)から変化する部分にも、関係してきます。

どの高校が、どの難易度の問題を選択するかについては、今年の例を一部紹介します。
平成28年度入試の難易度選択

 ザックリ言うと、偏差値が60以上だと全部C、40~50は全部B、35以下は全部A、くらいと言えるでしょうか。
志望校を早く決めた場合は、このような入試難易度を早くから意識出来ますので、勉強計画の面でもプラスかも知れません。

自己申告書の導入 → 点数に表れない、高校とのマッチングを重視

自己申告書とは、大阪府の教育委員会が提示したテーマに対してあらかじめ作成し出願時に提出する、文書のことです。
「各高校が求める生徒像」を確認し、それにいかに自分がマッチしているかを意識しながら、約1400字前後で所定のフォーマットに文章を書きます。
自己申告書は、※ボーダーゾーン内の判定資料に使われます。

“…ウチの子、作文が苦手だから、1400字もかけないかも…”と、心配になるお母さんもおられるかも知れませんが、あらかじめ作成という所が安心ポイントです。
中学校でもキッチリと書き方の指導と校正をしてくれますし、「各高校が求める生徒像」(アドミッションポリシーと言います)についても、ネットで簡単に調べられます。www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00000000/AP2.pdf
塾でもフォローしますし、それこそ保護者様が直接アドバイス可能です。
ボーダーゾーンってなに?

上記の通り、上位90%~110%の受験者は、一旦ボーダーゾーン扱いとなります。
ボーダーゾーンに入った受験者は、「自己申告書」と内申の「中学校での活動/行動の記録」の内容がチェックされます。
そして、その高校のアドミッションポリシー(求める生徒像)と極めてマッチしている生徒は総合点に関係なく、優先的に合格となります。
※その後、定員数まで、改めて総合点の評価で合格者が決まります。
ボーダーゾーンに該当してしまうこと自体が“キケン”であり、もちろん理想は、上位90%に入ることを目指すべきです。
しかし、トップ校になってくると当日勝負の色合いが強いので、それこそ何があるかわかりません。また、キケン度が高いと解っていても、どうしても行きたい高校に挑戦するケースもあります。
ですので、万が一、ボーダーゾーンに入ってしまった時は優先的に合格を勝ち獲れるよう、自己申告書にも真剣に取り組む必要があるのです。

来年(平成29年度入試)から変わること

英語テストの変更について

英語の学力検査問題 変更点

ここまで、現在(平成28年度入試まで)の入試制度を見てきました。それをベースに来年(平成29年度入試)から変更となる点をご説明致します。
来年からの変更点は一点のみ、英語の問題が難しくなります。他の科目は今のところ変更点はありません。英語の変更点をまとめますと、以下のようになります。
   ①②に関しては、言葉通りの意味です。ヒアリング・ライティング(英作文)の力が、それぞれ従来よりもしっかりと試される形となります。
 ③に関しては、単純に問題の英語文章量が増加したことを意味します。かなりの増加ですので、よりスピーディかつ正確に、長い英文を読み取る力が求められます。
 ④については、それほど気にする必要はありません。その理由は後で述べます。
⑤については、一般的になじみの深い、『英検』でご説明します。
英検二級を取得していれば、入試の英語は既に80点扱いとなります。
英検準一級を取得していると、入試の英語は100点扱いとなります。

 ①②③に関してはシンプルに難易度アップと言えます。
①→「ヒアリングが長過ぎて、まったく聞き取れない」
②→「苦手な英作文を捨てて、他でカバーする、ということが出来ない」
③→「そもそも、時間が全く足りない」
という受験生の声が、来年から確実に上がってくると予想出来ます。

 …ですが、実はこの英語の大きな変更、C問題のみとなる予定です。少なくとも平成29年度入試においてはC問題のみです。
つまり、志望校によっては、差し当たり気にしなくてよい受験生も多いのです。
④の問題文も英語になる、という点において、気にする必要がないというのはこの部分です。英語がC問題になるのは、五ツ木偏差値が55以上の高校です。
そのあたりを志望する生徒のレベルからすると、問題文が英語になることが、難易度の上昇には、それほど繋がらないと思われます。(問題文を訳さずに解けるパターンも結構あります。)
やはり、意識すべきは①②③。英語の受験勉強の仕方において、より「聞く」「書く(英作文)」「読む(スピード)」力を高めることが必須となります。

まとめ

 毎年のように、大阪府立高校の入試制度は変わります。あまりにコロコロと変わるので、いったい何を知っておくべきなのか、困っているお母さんが増えています。
 塾の立場から言えば、結局は「キチンと真面目に勉強出来るかどうか」が全てです。細かい入試制度が変わろうが、行き着くところはその部分に受験の成否はかかっています。 
ただ、どのようなことが求められるのかを明確にすることで、より効果的に頑張れるという事も事実です。
特に平成29年度入試からの、英語C問題における変革は、かなり大きいものです。受験に関する情報の中で、「…知らなかった…!」と、後悔するようなことだけは、ないようにしたいですね。受験に関することで、少しでもわからない点や、不安な点がありましたら、なんでもご相談ください。

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