勉強で効果的な暗記方法はありますか?

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海馬

勉強で効果的な暗記方法はありますか?

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勉強する中で、誰もが一度は苦労することが、「暗記すること」です。暗記が容易にできれば、テストで苦労することはありませんが、そうはうまくいかないのが勉強です。そこで今回は、効果的な暗記方法について触れていきます。

暗記に関しては、以下のコラムも是非お読みください!

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暗記:「記憶すること」について

言うまでもありませんが、暗記で悩む理由は、忘れるからです。それでは、なぜ忘れてしまうのでしょうか?まず前提として、人間の脳の仕組みを知っておく必要があります。

記憶のしかたには種類がある

心理学の領域では、脳のメカニズムとして、記憶には「感覚記憶」、「短期記憶」、「長期記憶」の3種類があり、記憶のプロセスは以下のようになります。

①感覚記憶 ⇒ ②短期記憶 ⇒ ③長期記憶

最初から、長期記憶にすることはできません。感覚記憶からのスタートです。

感覚記憶とは?

最も保持期間が短い記憶。目や耳などの感覚器官で受け取った感覚を、一旦保持するための記憶。外界から入力された刺激情報は、まず感覚記憶として保持され、そのうち注意を向けられた情報だけが短期記憶として保持される。

[例]
・学校の授業で、先生が説明していることが耳には入ってくるが、すぐに忘れてしまう。
・外で様々な人とすれ違い、一瞬、顔が目に入るが、すぐに忘れてしまう。

短期記憶とは?

短期記憶は、20秒以内、長くても数分以内に消えしまう記憶。感覚記憶で注意を向けられた情報に、短期記憶に保持される。ただし、一度に保持される情報の容量の大きさに限界がある。一般的に、7個から±2個前後。

[例]
・一夜漬けでテストに挑んだが、テストが終わったらすぐに忘れていた。
・今日の朝ごはんで何を食べたか、夜には忘れていた。

長期記憶とは?

短期記憶されたものが、「海馬(かいば)」を通して、永続的な貯蔵庫へと送られるものを「長期記憶」といいます。保持時間が長く、数分から一生にわたって保持される記憶である。短期記憶とは異なり、容量の大きさに制限はないことが特徴。

海馬

※海馬(かいば)とは?
脳の中にあり、細胞分裂を繰り返す神経細胞が集まる器官。入力された情報の整理と、記憶を司っています。

長期記憶に変換することが必要

人間の脳の仕組みとして、暗記は長期記憶に変換しなければ意味がない、と思ってください。一夜漬けなどの短期記憶で、その時の定期テストで仮に正解できても、実力テストや入試で点数を取ることは困難です。つまるところ、長期記憶に変換することが、効果的な暗記方法となります。

感覚記憶から短期記憶へ

記憶の入り口は、感覚記憶です。最初から長期記憶にすることはできません。まずは、短期記憶に変えていくプロセスが必要です。その方法として、以下の4つをご紹介します。

①覚えようと強く意識する

②整理する

③理解する

④頭の中で復唱する

感覚記憶から短期記憶へ変える方法

①覚えようと強く意識する

意識をしなければ、感覚記憶のままですぐに忘れてしまいます。当たり前のことではありますが、まず覚えようとする意志を持ちましょう。

②整理する

何を覚えるのか、整理しましょう。覚えるべき項目を整理しないまま勉強することは効率的とは言えません。整理できれば、何をどれだけ暗記しないといけないのか、ゴールが見えてきます。目標と言い換えてもよいですが、やる気の継続にも影響します。

③理解する

意味も分からずに覚えるということは、かなりの苦痛を伴います。暗記する項目を整理しながら、意味を理解していきましょう。社会の歴史であれば、語呂合わせや、当時の現象をイメージするだけでも、理解が深まります。

④頭の中で復唱する

整理し、理解した項目を、頭の中で復唱しましょう。繰り返すことで、確実に暗記できるようになってきます。ここまでを実践すれば、感覚記憶を短期記憶に変換することができているはずです。ただし、まだ短期記憶の段階です。次に、これを長期記憶に変換する必要があります。

長期記憶にどうすればできるの?

脳の記憶を司るといわれている器官は海馬です。海馬は、その情報が繰り返されたかどうかによって、重要な情報かどうかを判断しています。一度きりの情報であれば、海馬は重要でないと判断し、短期記憶から長期記憶に移さず、そのまま忘れてしまいます。そのため、覚えなければならないことは、繰り返しその情報を刺激として入れなければなりません。その方法が「復習」です。

復習をして、海馬に情報を送り続ければ、海馬は重要な情報として判断し、その内容を短期記憶から長期記憶に移します。残念ながら、一瞬で長期記憶に変換する魔法のような方法はありません。暗記したい項目を、海馬に重要な情報として判断させるためには、海馬に情報を送り続けるしかありません。復習をして、海馬に情報を送り続ければ、その内容は短期記憶から長期記憶に移されます。

いつ復習すればいいの?

エビングハウスの忘却曲線というものがあります。これは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが行なった実験による結果です。被験者に無意味な音節を記憶させ、 時間が経つにつれて、記憶量がどのように変化していくかを調べたものです。この実験結果は以下のようになります。

エビングハウスの忘却曲線

⇒20分後には42%を忘却し、58%を保持していた

⇒1時間後には56%を忘却し、44%を保持していた

⇒1日後には74%を忘却し、26%を保持していた

⇒1週間後(7日間後)には77%を忘却し、23%を保持していた

⇒1ヶ月後(30日間後)には79%を忘却し、21%を保持していた

これから分かることは、人間は「急激に」忘れてしまう生き物、だということです。つまり、できる限り早めに復習する方が良い、と言えます。1日後には、74%を忘却しているとすれば、24時間以上経過してからの復習は、効果が薄い可能性があります。

※ただし、エビングハウスの実験は、無意味な音節を記憶させたものなので、実際の勉強では、もう少し記憶の持ちは良いかもしれません。

⇒学校で習った内容は、その日の夜のうちに復習する

⇒夜に勉強した内容は、次の日の夜までに復習する

⇒復習は早めにした方がよい

※これらは、こういった根拠に基づいたものなのです。

寝る前の暗記が効果的

記憶は睡眠中に定着すると言われています。寝ている間に見る夢は、記憶の整理が行われている表れという説もあります。つまり、短期記憶の中から重要な情報を判断し、長期記憶に移す作業は、睡眠中に行われる、ということになります。

復習は1回でいいの?

復習は1回では足りません。まずは、最低でも3回行う必要があります。大事なことは、睡眠による記憶の整理をはさんで、翌日に復習することです。これを3回繰り返せば、高い水準で、約1週間は記憶を定着させることができるそうです。

最も集中的に取り組むべきタイミングは、この3回の復習です。それを乗り越えたら、次は1週間以内というように、少しずつ間隔を広げても効果がでてきます。また、睡眠をはさまずに、短期間の内に、むやみやたらに復習をかけても効果は望めません。同じ情報が何度も短期間で入ってくると、脳は単調な情報と見なしてカットしてしまう=長期記憶として重要な情報と判断されないそうです。

暗記するにあたってコツはありますか?

復習することが大切ということは理解いただけたと思います。次に、暗記するにあたってのコツを少しご紹介しますので、参考にしてみてください。

数学

例えば、中学3年生で復習ができていない場合、高確率で忘れている公式があります。それは、円柱・円すいの体積、おうぎ形の面積・弧の長さの求め方です。

中学1年生で習う範囲ですので、長期記憶に保存されていなければ、完璧に忘却されています。「おうぎ形」「円すい」というフレーズだけでも、苦手な生徒はさっぱり分からないというイメージが先行しやすい単元です。ただ、そんな場合でも、「円の面積の求め方は?」と聞くと、ほとんどの生徒は答えられます。

円の面積の公式:半径×半径×π

おうぎ形の面積は、「半径×半径×π×中心角/360」

違いは、中心角/360を、かけるか、かけないか、の違いのみです。円の面積が答えられるのは、小学校の時から何度も練習しているからです。完全に長期記憶にインプットされている状態です。よって、まず円の面積の公式を思い出し、それに中心角/360を、かければよい、という覚え方をすれば、比較的簡単に公式が暗記できます。

次に、円柱の体積の公式は、「底面積×高さ」です。円すいの体積の公式は、「底面積×高さ×1/3」違いは、1/3を、かけるか、かけないか、の違いのみです。

英単語

プライミング効果を利用する

プライミング効果とは、一つの刺激が別の考えを生み出す性質を指します。簡単に言えば、「連想」です。例えば、「動物」という言葉を聞いて、「犬」や「猫」など、色々な動物を連想できたとすれば、プライミング効果が働いたと言えます。もっと言えば、具体的な犬や猫の姿もイメージでるはずです。

【プライミング効果のない暗記】

プレイミング効果のない暗記方法

「動物=animal」、「犬=dog」というように、完全に単語ごとで独立した覚え方です。恐らく、このように暗記する人は多いと思います。

【プライミング効果による暗記】

プレイミング効果のない暗記方法

日本語で「動物」と聞いて「犬」や「猫」を連想するように、英語でも同じことをします。「animal」と聞いたら、「cat」「dog」が連想できるように、セットで暗記しましょう。

語源で暗記する

漢字に語源があるように、英語にも語源があります。

[例]

「re + 英単語」 ⇒ 「再び」の意味が含まれる

start 始める、出発する / restart 再開する、再出発する

「dis + 英単語」 ⇒ 「否定、反対」の意味が含まれる

agree 意見が一致する / disagree  意見が合わない

このように、語源を知ることで、暗記しやすくなる場合があります。種類はたくさんありますので、一気に全て覚える必要はありません。中学校までで習う英単語であれば、まだ習っていないものも多いので、参考程度に捉えてください。一覧で紹介しているサイトがありますので参考にどうぞ

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ちょんまげ英語塾

古文単語

古文単語は、普段使用することはありませんから、なかなか難しいものです。それでもちょっとした工夫で、暗記しやすくなります。

①漢字を当てはめて関連付ける

ありがたし ⇒ 有り難し
有ることが難しい状態。つまり、「めったにない」となります。

びんなし ⇒ 便なし
「便=便利」。つまり、便利がない状態。「不便だ」となります。

いうなり ⇒ 優なり
優美だ。心が優しい。上手だ。

②現代語と関連付ける

まめなり
「まめな人」は現代でも使う表現です。きちんとする、面倒臭がらずに取り組む等、真面目で勤勉なイメージです。古文においても、「実直な、誠実な」という意味になります。

その他の暗記方法
覚え方の工夫として、エピソード記憶というものがあります。エピソード記憶とは、個人的に体験された出来事についての記憶を指します。簡単に言えば、思い出です。

分かりやすい例は、理科の実験授業です。

(例)『青色のリトマス紙に酸性の液体をつけると、赤色に変わる』

言葉だけで暗記することは大変な場合がありますが、実際に目で見て体験したものは、その時の映像や感情が脳に深く刻まれ、忘れにくくなる特徴があります。

しかし、理科の実験のように、日常で簡単にできない場合はどのようにすればよいか例を挙げます。

(例)

・いつもと違う場所で勉強してみる

・勉強したことを人に話してみる

これだけでもエピソード記憶に繋がります。いつもと違う場所で勉強してみるという行為は、経験にあたります。 いつも家の部屋で勉強しているけど、図書館で勉強したとします。 すると、「あの時は、図書館で勉強したなぁ」という経験と記憶が残ります。その経験と一緒に、勉強した内容も忘れにくくなります。

更に、それを人に話してみましょう

(例)「図書館に行って、月曜日から日曜日までの英単語を覚えました。また、主語が3人称の時は、一般動詞にs、またはesをつける問題を解きました。」

人に話すということは、経験したことを頭の中で整理して説明することです。それが、記憶の定着に繋がります。

暗記する際のノートの作り方

まず、最初に暗記ノートを作るメリットを考えてみましょう。

メリット

  • 解き方や暗記すべき内容を自分なりに整理することができる
  • 間違えた問題を見直し、調べないとノートに書き込むことはできないので復習になる
  • 実際に手を動かすので、目で文字を追っていた時よりも覚えやすく、且つ忘れにくい

デメリット

  • ノートを作るのに時間がかかる
  • ノートを作ることが目的となってしまい、覚えられていない

これらを踏まえて暗記する際のノートの作り方をいくつか紹介していきます。

①一問一答型

例えば、英語で知らない単語”interesting”が出てきたとします。まずはやらなければならないことは、意味”面白い”を調べることですが、このままだとそれで終わりです。次にその単語が出てきたときに覚えておくことが果たしてできるでしょうか。そこで、暗記ノートの登場です。この場合、英単語とその意味をノートに書けばよいのです。こうしていけば、自分だけの単語ノートが作れます。国語の漢字や古文単語も同様ですね。

②間違えた問題型

間違えた問題と解法をノートに書いていきます。その際に、どうして間違ったのか、注意すべきことは何だったのか、正解に至るためにはどんな知識が必要だったのかを調べたり、質問したりして、それを合わせて書いておきましょう。そうすることによって、同じ間違いをなくしたり、類題が出題された時に正解できるようになります。重要なのは、ただ単に間違えた問題と正しい答えのみを書くのではなく、間違えた理由や不足していた知識や解法の仕方を書くということです。単に間違えた問題を書き込むだけではできるようにはなりません。数学や理科の計算問題はこの方法がよいかもしれませんね。

③イラスト・図表型

①で挙げた方法は理科や社会には適しません。なぜなら、用語を知っていたとしても何かと関連付けないと意味がないからです。例えば、理科の植物の単元で「めしべ」、「おしべ」を覚えたとします。でも、実際にテストではイラストや写真などでどこが「めしべ」なのか「おしべ」なのかを問う問題のはずです。そのため、実際にイラストをノートに書いて、それと関連付けて覚えましょう。また、社会はイラストや図表にして書くのがよいでしょう。例えば、歴史分野の「保元の乱」「平治の乱」ですが、用語を覚えていても、なぜ起こった戦いなのか、そのによって何が変わったのか。それも覚えていた方が点数を取りやすく、また忘れにくいはずです。理科の暗記単元や社会はこの方法がよいでしょう。

暗記のコツにまつわる疑問にこたえます!

テスト間近…短時間で暗記できるコツはありますか?

まず、全体像を把握しましょう。覚える量が分かれば、ひとつの単元にどれだけ時間をかけることができるかの目安ができます。そして、ひと単元や数ページと自分なりに区切って、ひと通り読んだり、書いたりしてみましょう。その際にひとつひとつ覚えていく必要はありません。まずは短時間でどんどん進み頭に入れていきます。そして、自分で決めた区切りまでいったらテストしてみましょう。ここでも、完璧に覚えている必要はありません。大事なのはこの作業を繰り返すことです。要するにインプットする時間よりアプトプットする時間を増やす、ということです。

社会の暗記がニガテです。なにかいい方法はありますか?

用語のみを覚えようとしていませんか?地理分野の「西岸海洋性気候」とか、公民分野の「刑事補償請求権」とか、その用語だけを覚え、記憶として定着させるのは難しいことです。そこで問題集を使います。実際に問題を解きながら、問いに対しての答えとして用語を覚えていていくわけです。そうすることによって、覚えやすくなりますし定着もします。何より、暗記するための目的であるテストで答えられるようになるはずです。ただ、ここでも大事なのは繰り返す、ということです。

スマホのアプリを使った暗記でも効果はありますか?

はい。効果はあります。要は自分に合った覚え方かどうかです。スマホのアプリでも、様々なものがあります。自分に合ったものが見つかり、それで暗記できれば、それでよいのです。ただ、勉強中にスマホに触れることになりますので、その誘惑に打ち勝つ必要があります。

まとめ

暗記は、スポーツのトレーニングと通じる部分があります。プロ野球選手も、日々の練習なしに技術が向上した訳ではありません。何度も同じ練習を繰り返し練習した結果です。暗記においても、繰り返し復習することが大切です。効果的に暗記ができるように、しっかりと復習しましょう。

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