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「模擬試験は必要?」「そもそも模擬試験ってなに?」
など、模擬試験についてよく理解してない人もいるでしょう。模擬試験の“模擬”とは「本番に似せた」という意味を持ちます。「本番」とは「高校入試」のことを指し、
何らかの「本物」を想定したテストを「模擬試験」と呼ばれるのです。
しかし、中学校で実施される定期テストや実力テスト以外を全て「模試(模擬試験)」と呼ぶ人も一定数います。なぜそのように認識しているのかというと、全体平均と個人の成績だけを示すだけのものもあるからです。前述で述べたように、特定の「本番」が存在しない試験であれば「模試」とは言えないことを知っておきましょう。そこで今回は、模擬試験についてと、模擬試験の上手な利用方法や結果の活かし方などを徹底解説いたします。
以下のコラムも参考にしてみてください。
目次
模試の使い分け
大阪で模擬試験と言えば、一番有名なのが「五ツ木模試」です。
「有名」≒「受験者が多い」=「信憑性が高い」と思ってよいです。
ただ、受験する際に “五ツ木は難易度が高い”ということは、知っておくべきです。その理由は後述します。
模擬試験は「五ツ木」だけではありません。「進研もし」という模擬試験もあります。
受験者数は五ツ木に及びませんが、認知度は高く、信憑性に問題はありません。五ツ木模試に比べると、難易度が少し下がります。
特にこだわりがなければ、学力に応じて「五ツ木」と「進研もし」を使い分けすることをおすすめします。
五ツ木は難易度が高い為、一定の学力が無いと“ボロボロの結果”となります。
それで奮起するのであれば良いのですが、最近の中学生に、あまりそういったガッツは期待できません。
ボロボロの結果を見て、やる気がダウンすることの方が多いです。
模擬試験は、何のためにあるのですか?
模擬試験は、何のためにあるのでしょうか。大きく分けて三つあります。
- 自分の学力に合った受験をする為
- 自分の弱点を知る為
- 本番になれる為
以下、詳しく見ていきます。
1.自分の学力に合った受験をする為
志望校に対して、自分の学力が十分に足りているのか。
足りないのであれば、あとどれくらいの学力が必要なのか。
模試を受けることで、それがわかります。もしも模試を受けないまま受験すると、
- 箸にも棒にも掛からないレベルで不合格になる
- 2ランク上の高校でも受かる成績だったと後で気付く
といったような事態がおこります。
模試を活用すれば、そういった事態は防げます。
2.自分の弱点を知る為
模試が定期テストよりも“使える”最大の特徴が、「個人結果表」です。
自分の達成度と課題点がわかりやすく明記されますので、今後の勉強に役立てることができます。
3.本番になれる為
入試本番は普段の学校生活とは様々な点が異なります。教室の雰囲気、周りの人達、何より緊迫した雰囲気…。
ぶっつけ本番で、いつも通りのパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。
模擬試験はそんな本番の雰囲気に近いものがありますので、「本番になれる」という目的は十分に達成できます。
【 模擬試験の捉え方 ~オススメ活用法~ 】
模擬試験の存在意義は、先述した3点です。
ただ、もう少し突っ込んだ目線で、模擬試験の捉え方を三つご紹介します。
①絶対に受けないといけないわけではない
②自分の学力の性質を知る
③勉強の優先順位の付け方
①絶対に受けないといけないわけではない
早速、先述した内容と逆行しますが、模擬試験は絶対に受けないといけないわけではありません。
それは、以下のようなケースです。
A.定期テストの点数が、志望校の求める点数をしっかり上回っている。
かつ
B.定期テストの点数と、実力テストの点数の差が殆どない。
AとBを共にクリアしている中学生は、おそらく志望校に合格します。
よって、模擬試験を受ける必要性は高くありません。(本番慣れの意味で、受ける価値はあります。)
ただ、上記の条件を満たす中学生はかなり少ないです。Aを満たす中学生は3割ほど、「AかつB」を満たす中学生は、おそらく1割以下です。
模擬試験は、「本番」に対する不安や課題を解決するために受けるものです。不安も課題も無ければ受ける必要はありません。
②自分の学力の性質を知る
模擬試験の結果から、自分の学力の性質を知る事ができます。性質とは何かと言いますと、自分の学力の【“その場限り”度】です。
具体的に例を挙げます。
※中学校の定期テストで平均点を取っているとします。
定期テストは非常に限定された範囲から出題されます。
それは点数を取りやすいというメリットであり、その場限りになりやすいというデメリットでもあるのです。
上記表を参考に、自分のその場限り度の高さを把握してください。
その場限り度が 高いということは、せっかく身に付けた能力がドンドン抜けていることを示します。
反復量を増やすことで改善する必要があります。
③勉強の優先順位の付け方
模擬試験の結果は、様々な角度で解釈することができます。そして大切なのは、それを “次にどう活かすか”です。
理想論を言えば、全科目を向上させる為に、全科目を勉強するべきです。
ですが、“リアルな中学生”を想定すると、話は変わってきます。
上記のような残念な流れになってしまう中学生はたくさんいます。
そこで、勉強の優先順位の付け方を3つご紹介します。
- 理科 … 「1分野」か「2分野」に絞る!
- 社会 … 「地理」か「歴史」に絞る!
- 英語 … 「単語」か「文法」に絞る!
どれも、中学生に伝えると、“え、どっちかだけでいいの?”と言われる話です。
ですが、長い目で見た時、上記のように範囲を絞り、逆に絞った範囲は徹底的に勉強 した方が、成績は上がりやすいのです。
ただ、範囲を絞る時には冷静な判断が必要です。
例えば英語の「文法」に絞ろう! という判断は、安易にしてはいけません。(感覚としては「単語」に絞るべき中学生の 方が多い気がします。)
単語は面倒だから、文法を…では、ダメです。
また、歴史が好きだからと言って「歴史」に絞ろう!と判断するのも要注意です。
基本的には、伸びしろが多い方を選択するように心掛けることが大切です。
正しい判断が自分では難しい場合は、中学校の担任の先生や受験を終えた先輩、 塾の先生などに相談すると良いでしょう。
志望校の判定をどう判断すればいいのですか?
五ツ木模試であれば、志望校の判定がA~Eで出ます。それぞれの意味は、
A … まず心配ない、上位合格のはず
B … ほぼ安全圏
C … ボーダーゾーンで合格は五分五分
D … 危険率が高く、発奮が必要
E … 志望校(学科)の再考が必要
です。当然、AやBなら嬉しいですし、DやEだとやはりショックです。
五ツ木模試の結果の見方については、以前のコラムをご覧ください。
五ツ木模試に限らず、模試の志望校判定をどう捉えるべきか、三つご紹介します。
- ①志望校の判定は、“現時点での”実力 ②間に合うのか、間に合わないのか、…ではない。 ③信頼できるセカンドオピニオンを持つ
①志望校の判定は、“現時点での”実力
模試の判定は、“現時点での”話です。9月や10月に受けた模試であれば、本番 まで半年近くある訳ですから、まだまだこれからです。
事実、9月時点でE判定だったところに最終的に合格する受験生はたくさんいます。
単純化して考えると、EをDに、DをCに、CをBに、一つずつでも変化させていける かどうかが大切なのです。
(例1)9月:E判定 → 10月:D判定 → 11月:C判定
このような推移ができれば、自然と12月はB判定、1月はA判定という見込みが立ちます。繰り返しますが、判定を変化させていけるかどうかだけが、大切なのです。
②間に合うのか、間に合わないのか、…ではない。
今の中学生は、ガッツがない子が非常に多いです。
最近は、すぐに諦めがちで、かなり目先の目標でないと頑張れない子が増えています。
模試の結果が悪いと、「あぁ、もうダメだ。もうムリだ。」と嘆き、諦めがちです。
間に合うかどうか、ではなく、「間に合わせるにはどうすべきか」を考えるべきです。
「間に合わせるにはどうすべきか」を考え、行動する。
それが、模擬試験の志望校判定の、一番の存在意義です。
③信頼できるセカンドオピニオンを持つ
模擬試験には費用がかかります。ただテストを受けるだけにしては、結構高いです。
それは何故か。
結果の分析を、非常に細かくしてもらえるからです。費用の6~7割が、結果分析の 為のコストだと捉えて良いと思います。
そこで模擬試験の結果に対し信頼できるセカンドオピニオンを持つことをオススメ します。せっかくの模試結果を、無駄にしない為です。
セカンドオピニオンとは、医療業界の言葉です。
ざっくり言うと「自己症状の診断を、複数の医者に下してもらうこと」です。
一つの視点だけでは、その判断に“死角”が生じることを防ぐ方法です。
模擬試験の志望校判定も、同じことが言えます。
自分だけの判断、親だけの判断では、重要なポイントを見落とす可能性があります。
中学校の先生(できれば受験生を受け持ったことのある先生)や、塾の先生など多方面から結果を分析することをおすすめします。
まとめ
今回は高校入試に向けた模擬試験について、利用方法や結果の活かし方をご紹介しました。
高校入試は、人生における大切な分岐点です。模擬試験をフル活用し、後悔のない受験 をしてください!