勉強の仕方アドバイス
「気付けば受験3ヶ月前…!」「3ヶ月前からの受験対策が知りたい」
など、受験3ヶ月前に追い込みをかけたい中学生は多いでしょう。毎年受験3ヶ月前ともなると、中学3年生の目の色が変わります。この時期は実力テストや模試の結果が返ってきたり、進路について具体的に考えていく時期でもあるのです。中には、この時期になって突然「高校受験対策に何をしたらいい?」といった質問が飛んでくることも珍しくありません。そこで今回は、受験3ヶ月前からの高校受験対策の仕方についてお伝えします。
理想論を捨てなければならない
受験3ヶ月前からの高校受験対策をするにあたって、まず決断しなければならないことがあります。
それは理想論を捨てるということです。
受験では英語・数学・国語・理科・社会での5科目が出題されますが、受験3ヶ月前からこのすべての科目を仕上げきるのはほぼ不可能です。
もちろん一日12時間以上勉強する覚悟をもって実行できたら話は別かもしれませんが、実際にそこまでできる方はほとんどいません。
理想を追い求めて5科目をまんべんなく勉強した結果、すべてが中途半端なことになってしまっては、元も子もありません。
受験3ヶ月前から本番までに残された日数は実はほとんどありません。
受験3ヶ月前から仮に1日平均5時間勉強できたとすると、
1日5時間 × 90日 = 450時間
となります。
この400時間を5科目で割ると、
450時間 ÷ 5科目 = 1科目あたり90時間
という計算になります。
90時間とは、1学期間にある学校の「英語」or「数学」の授業時間と同じぐらいです。
この90時間で3年間分の復習をして、さらに応用問題までしっかり仕上げることは物理的には不可能といえるレベルです。
ですから、受験3ヶ月前から高校受験対策をする場合には科目を絞ることが大切です。
現実的な目安としては、2〜3科目に絞るのがいいのではないでしょうか。
その科目を本番に向けてきっちり仕上げきることを目指しましょう。
どの科目に絞るべきなの?
絞るべき科目は一人ひとり違いますが、大きく分けて2軸で判断するのが良いと思います。
- 自分が得意な科目に絞る
- 科目特性を考慮して絞る
自分が得意な科目に絞る!
まずは、「1.自分が得意な科目に絞る」についてですが、具体的にはこれまでの定期テストで点数が良かった科目に絞るべきです。
入試問題においては、定期テストレベルの問題は「基礎」になります。
入試問題では、定期テストからもう一捻り加えられた応用的な問題が出題されます。
こうした応用問題に対応するためには、当然定期テストレベルの基礎を固めておかなければなりません。
しかし、入試3ヶ月前から高校受験対策をスタートさせる場合には、なかなか基礎から復習している時間はありません。
そこで、科目を絞る場合は基礎がある程度固まっている科目を選んだ方が、最終的には点数が伸びる可能性が高いです。
ちなみに、これはあくまでも受験3ヶ月前から本格的に受験勉強を進めていく場合に限った話です。
受験勉強をもっと早くスタートさせていた場合はこちらの記事を参考にして勉強を進めてください。
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科目特性を考慮して絞る!
もう一点注意しておきたいのは、「2.科目特性を考慮して絞る」ということです。
英語・数学・国語・理科・社会の各科目には、点数が上がりやすい科目と上がりにくい科目があります。
受験まで残り3ヶ月しかないのであれば、
できるだけ点数が伸びやすい科目に絞って勉強した方が良い結果につながりやすいでしょう。
点数が伸びやすい順番とは、
という順番です。
国語・英語の言語系科目は点数が伸びるまでに時間がかかります。
反対に、一旦点数が伸びるとなかなか点数が落ちないのも言語系科目の特徴です。
特に、国語の読解問題についてはこれまで言葉を話し始めてからの約13年分の「国語力」が問われることになるため、
3ヶ月で急激に国語力が伸びることはほとんどありません。
短期間で勉強するにはあまりオススメできない科目です。
しかし、まだ諦めることはありません。
ベースとなる国語力は急激に伸びないにしても、読解問題を解くためのテクニックはすぐに身につけることができます。
塾ではこうしたテクニックを教えてくれるので、国語を何とか伸ばしたい場合は塾の冬期講習を活用するのが良いと思います。
英語についても、単語を覚えて、文法ルールが使いこなせることで点数が伸びていきます。
そのどちらかが欠けていても点数はなかなか伸びてきません。
さらに、入試問題では長文が出題されるため、英文を読むスピードも求められます。
単語力、文法力、読解スピード、の3要素すべてを3ヶ月で伸ばすのはなかなか容易なことではありません。
英語が得意という方を除いて、どちらかといえば受験前に時間を掛けるべき科目ではないと言えそうです。
一方で、理科・社会の暗記系科目は覚えれば覚えるだけ点数につながっていくため、
点数が伸びるのに比較的時間がかかりません。
特に、社会については暗記をすればするだけ点数につながります。
社会の入試問題は定期テストレベルの問題をしっかりと覚えておけば、得点につながるという特徴があります。
他の科目にくらべて3ヶ月で間に合う可能性が高い科目といえそうです。
理科については、半分は暗記で乗り切ることができます。理科の場合はいわゆる「1分野」と「2分野」に分かれています。
大ざっぱに言えば、1分野とは物理や化学、2分野は生物・地学です。
このうち2分野は暗記をすれば得点が伸びます。
社会と同じ科目特性を備えているので、受験までの残り日数が少ない場合は、2分野に絞るのが良いと思います。
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数学については、コツをつかめばすぐにできるようになるという特性があります。
たとえば、計算問題の場合、公式さえ使いこなすことができれば、すぐに解答たどりつきます。
一方で、公式をつかいこなせなければ、解答にはたどりつきません。
つまり、公式を使いこなせるようになるかどうかという点がカベとして存在するのです。
数学の場合、「このカベを3ヶ月で超えられるかどうか?」が、やるかやらないかの判断基準になります。
あまり科目特性は考慮せずに、得意かどうかで判断するほうが良いかもしれません。
人それぞれおかれている状況が違うので一概には言い切れませんが、受験3ヶ月前からの受験勉強においては、
「得意な科目に絞る」「科目特性を考慮して絞る」という2軸で重点的に勉強する科目を選んでみてください。
■Aくんの場合■ 一例を挙げてみます。
Aくんは、11月の実力テストで次のような結果でした。
- 英語40点
- 数学70点
- 国語60点
- 理科20点
- 社会70点
- 合計260点
Aくんの志望校は実力テストで300点必要と先生から言われています。 つまり、あと40点足りていません。
この場合、もしもわたしがAくんにアドバイスをするならば、重点的に勉強する科目は、数学・理科・社会の3つにします。
この3科目を選んだ理由は、
数学: 実力テストで70点取れているならば、基礎が固まっている証拠です。
応用問題を解ける土台が仕上がっているため、少なくとも10点分は加点できそうです。
理科:実力テストで20点ならば、理科は不得意な科目といえそうです。
しかし、理科の「2分野」の勉強は暗記が中心となります。2分野で約50点分出題されるとすれば、まだ20点分は加点できそうです。
社会:実力テストで70点取れているということは、暗記を得意にしていると想像できます。
科目特性としても、社会は暗記によって得点力が上がる科目のため、少なくとも10点分は加点できそうです。
実際には塾でのアドバイスでは科目の好き嫌いを考慮したり、実際のテストの答案を見たり、
これまでの学習の経過を考慮しながらアドバイスを行っていますが、大雑把なイメージとしてはこのような感じです。
ぜひ参考にしてみてください。
しておかなければいけないことは?
最後になりましたが、受験3ヶ月前からの高校受験対策として必ずしておかなければならないことがあります。
それは「過去問」を解くことです。
過去問を解くときに最も重要なのは、「限られた時間内に自分にとって解くべき問題を解ききる」ということです。
そもそも入試問題は100点を取る必要がありません。100点を取るのは上位1%未満ですし、中には0%という年度もあります。
入試では限られた時間内で満点を取ることが、ほぼ不可能なレベルの難しい問題が出題されるということです。
したがって、入試の場合は、自分が行きたい高校の合格ライン分だけ点数を取れば良いのです。
それ以上の問題に取りかかると、どうしても時間が足りなくなってしまいます。(それほどに入試問題とは時間との勝負なのです。)
裏を返せば、100点を取らなくても限られた時間内に自分が取るべき問題をミス無く解くことで合格できるのです。
その練習を過去問で本番までしっかりしておきましょう。
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まとめ
受験3ヶ月前からの高校受験対策の仕方についてまとめると、
- 理想論を捨てて科目を2〜3科目に絞る!
- できるだけ自分の得意な科目を選ぶ!
- 伸びやすい科目は、理科・社会だ!
- 過去問を使って自分の取るべき問題をミス無く解く練習をする!
となります。
3ヶ月前でもまだまだできることはたくさんありますし、正しいやり方で勉強すれば絶対に点数は伸びます。
「3ヶ月前だから何をしてもムダ」と諦めるのは早すぎます。
この記事では高校受験対策の仕方について書いてきましたが、最も大切なことは「諦めないこと」なのです。
・3ヶ月前だからといって絶対に諦めない!!!!!
という言葉を最後に加えておきます。
ぜひ参考にしてみてください。