塾選びのポイント

個別指導塾に通っても成績が上がらない理由4つ


個別指導塾に通っても成績が上がらない理由4つ

 個別指導塾が増えています。

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子供の数が減るなか、個別指導塾の市場規模は10年右肩上がり。その理由は「子供のペースで指導して欲しい」という親が増えたからです。
確かに、個別指導塾なら生徒一人ひとりの理解度に合せた授業が可能です。

ただ、個別指導塾に通うことで、本当に子供の成績が上がるのでしょうか?
個別指導塾に10年身を置いた者としてその質問に答えるなら、

“個別指導塾に通っても、成績は簡単には上がらない”。

10年も塾業界に居ながら情けない話ですが、やはり子供の成績を上げる事は、いまだに簡単だとは感じられません。

 また、これはどの塾でも同じ状況のようで、「(他の)個別指導塾に通っていますが、成績が上がらなくて…」という、ご相談が一向に減りません。

『個別指導塾に通いながら、成績が上がらない理由とは何か…?』

 10年間、数多くの生徒と関わる中で、大きく4つの理由が共通項として見えてきました。今回はそれをご紹介します。

これから塾を検討されている方はもちろん、塾の効果(成績の向上)に満足していない方も、参考にしてください。個別指導塾に通っても成績が上がらない理由は、以下4つです。

  • 理由① 塾選びを誤っている
  • 理由② 塾の授業を生徒が理解していない
  • 理由③ 塾の指示に従っていない
  • 理由④ 自主的な勉強をしていない

理由① 塾選びを誤っている

 塾にも、「得意/不得意」がある

あまり知られていないことですが、塾にも「得意/不得意」があります。

  • 例えば、私立の生徒に対応する事に慣れている塾。
  • 例えば、勉強の自信を喪失した生徒の扱いに慣れている塾。
  • 例えば、中学校では扱わないハイレベルな問題を解説することに慣れている塾。

塾によって、「どんなことが得意か」は全然違います。
コチラもお読みください→こんなに違うの?!塾選びは慎重に…!

当然ですが、自分の子供に合っていない塾に通っても成績は上がりません。
自分の子供を客観視し、子供に合った塾に通う事が、大前提として必要です。

 …ただ、塾がどんな生徒を「得意」としているのかは、明文化されていない事もあります。裏を返せばそれは、どんな生徒が「不得意」か塾側が伏せている状態とも言えます。

“ウチはどんな生徒でも預かりますよ!”と謳うような塾に対しては、逆に、慎重に検討した方が賢明だと思います。「何でも屋は、何屋でもない」ことがありますので…。

 子供にどんな塾があっているか≠親がどんな塾に行かせたいか

i1子供の勉強に悩むお母さんとお話すると、「通わせたい塾」と「子供の現状」が、マッチしていないケースがしばしば、見受けられます。

多いのは、子供の学力が伴わないのに、受験の焦りから、ハイレベルな問題を扱う塾に通わせようとする、というケース。塾側から見るとミスマッチである事がすぐに解るのですが、お母さんには、そのあたりを客観的に判断できる方は多くはないようです。

“子供にどんな塾があっているか ≠ 親がどんな塾に行かせたいか”

 このことを念頭に置いてください。色々な塾に相談に行くのも良いです。ネットで色々な情報収集をし、子供と塾のマッチングを見極められる目を養うのも良いでしょう。
メビウスのコラムも、是非参考にしてください。

コチラもお読みください→塾の体験授業 かしこい使い方は?

理由② 塾の授業を生徒が理解できていない

 2つの可能性 ― 塾が原因?本人が原因?

 理由①がクリア出来ていると仮定し、次の課題です。
個別指導塾は、文字通り個別に教えてもらえる…。なのに、生徒が授業を理解できていない。

  塾が原因? ⇒ 教え方が悪い。
 生徒が原因? ⇒ 解ろうという気(意欲)がない。

これは、塾と生徒、どちらが悪いか、という二元論では語れません。

生徒に解るように授業するのが塾の務めですから、塾が悪いと言うのは簡単です。
一方、いくら授業が良質でも、生徒のやる気が低すぎればやはり理解は出来ません。

原因はさておき、大切なのは塾の授業を生徒が理解すること。

理解している状態は良い/理解していない状態は悪い
これは、二元論です。理解していない状態は、理由どうあれ、悪い状態です。
塾の授業を生徒が理解していないのであれば、成績は上がりません。

 不安があれば、スグ電話!

 i2子供が、塾の授業を理解できているかどうか。
非常に大切な部分ですが、保護者にそれが把握できるのか、という問題があります。
塾での子供の様子は、見えないからです。特に個別指導は、奥まった個別ブースで、内情が非常に見えづらい指導形態です。

子供に直接確認しても「わかってる。」と言うし、多分大丈夫だろうと楽観視していると、実は…、ということも起こり得ます。

 そこで、塾との連携をはかる方法、「定期的な面談」「授業の報告」「電話相談」などをどう利用するかが、鍵となります。

 面談は、それほど頻繁には行われないものですから、普段から少しでも気になることがあれば塾に電話をし、「授業の様子はどうですか?」「授業は理解できていますか?」など、不安を伝えましょう。以下のような返答が返ってきます。

  • 「正直、今、数学に苦労されています。自習など来ていただければ助かります。」
  • 「授業の理解度は、問題ありません。しっかり集中され、理解できています。」
  • 「理解度は問題ありませんが、いかんせん眠そうで…。時々頭が回っていません。」

 例えば上記のような返答であれば、親として、何かしら動くヒントを得ることができます。塾に丸投げにせず、とにかく塾と連携を取る。子供の学習環境をより良くする為に、家庭と塾はしっかりと連携すべきなのです。

 もちろん、お母さんが不安を感じる前に、塾が先回りして問題を解決してくれたりすることもあるでしょう。そういう塾は安心感があって良いですね。ただ、子供の学習状況は短期間でもアップダウンの波が起こるものですから、安心し切らず、塾との連携は意識し続けるべきだと思います。

理由③ 塾の授業以外の指示に従っていない

  • 理由①塾との相性は、クリア。
  • 理由②塾の授業理解も、クリア。

次の課題が、“塾の授業以外の指示に従っていない”です。

 この話は、ジムに例えるとわかりやすいです。

授業中は頑張る…?それは当たり前!

“結果にコミットする”でおなじみのライザップですが、トレーニング内容は意外と普通。他との違いは「徹底した食事管理」です。有名な話ですのでご存知の方も多いでしょう。毎日の食事を3食、写メ付きでトレーナーに送らないといけないのです。厳しいトレーナーにあたると、少しでも太りやすいメニューだと怒られるとか…(汗)

ジムで汗を流して運動しても、結局、家に帰って太りやすい食事をしていれば同じこと。痩せるはずがありません。そこにメスを入れたのがライザップだったわけです。

 塾も、ジムと同じようなところがあります。塾で授業を受けている時は頑張って集中する。でも、家に帰ると気が抜けてしまい、全く勉強しない。復習しないので、せっかくの知識も忘れてしまう…。それでは、点数も上がりません。

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 塾の授業外の指示とは、具体的にどういったものなのでしょうか。「個別指導メビウス」を例に3つご紹介します。

  1. 「単語テスト」
  2. 「宿題」
  3. 「CT」

①「単語テスト」…英語の授業では、毎回単語テストをしています。20~30問程。
毎回のように満点近く取ってくれる子もいれば、毎回半分以下の正解率の子もいます。
当然ながら、単語テストの点が低い子は、定期テストの英語も低くなる傾向にあります。
(※メビウスでは、8割以下の正解率だった場合は居残りになります。)

②「宿題」…毎回の授業で、出されます。30分程度で終わる量です。出された翌日に終わらせる子もいれば、塾にくる直前に慌てて取り掛かる子もいます。 “宿題の質が低い”子ほど、成績が上がりにくい傾向にあります。
“宿題の質が低い”とは、例えばわからなかったと言って殆ど空白だったり、短時間で雑に終わらせている為、細かいミスが大量にあったりする状態です。
(※メビウスでは、宿題忘れの場合は居残りになります。)

③「CT(Clear Test)」…テスト前課題の“模擬テスト”です。弱点をピンポイントで見抜き、克服する為に実施します。この「CT」を解いてくることで、授業でのテスト前仕上げが非常に質の高いものになります。しかし、中にはやって来ない子もいます。当然、テスト前の仕上げが不十分となり、点数が上がりにくくなります。

メビウスで、①②③を完璧にこなす生徒は、8割がた成績が上がります。

“塾の授業は、真面目に頑張る”

この言葉を、「良い状態である」などと、間違えて解釈してはいけません。

個別指導は先生が目の届くところで、生徒のペースで授業を受けられる環境です。
そんな環境で真面目に勉強することは比較的簡単、いわば当たり前なのです。

“塾の授業中は真面目に勉強する。”これは「当たり前」と捉えた上で、“授業以外の指示に従っているか?”を意識して初めて、成績は上がると思ってください。

 やっぱり、塾との連携が大事

 i4理由②でも述べましたが、塾での詳しい状況は、家庭ではなかなかわかりません。子供が塾の授業は理解している(ように見える)のに、成績が上がらない場合は、ストレートに塾に相談するのが良いでしょう。例えば、以下のような聞き方です。

  “塾の授業はよくわかるみたいなのですが…、何が足りないのでしょうか?”  “塾の宿題などはキッチリやれていますか?”

 塾によって、授業外の指示バリエーションには差があります。例えば、メビウスでも行っている「小テスト」や、テスト前の「模擬テスト」。塾によってはテスト勉強の「スケジュール」を組んでくれるところもあります。それら塾の指示に、現状どこまで従えているかを確認すれば、次のステップが明確になります。

成績を上げる為には、その塾が推奨する「授業以外の指示」をしっかりと把握し、それに100%従うこと。それが一番の近道です。

理由④ 自主的な勉強をしていない

 結局は、自主学習がすべて?

 理由①~③を全てクリアしていても、成績が上がらない可能性は、あります。

 この成績向上への最後の砦となるのが、“自主的な勉強ができるかどうか”です。

結局、自分で勉強する子は成績が上がりやすく、自分で勉強しない子の成績は上がりにくい。あくまで塾は、勉強の“サポート的存在”と捉える方が、良いのです。

ただ、0か100かの言い方が好きな人が、時々このようなセリフを言います。
 「塾に通っただけで成績が上がるはずない。結局は、本人次第だから。」

これは、正確な表現ではありません。正しくは、こうです。

「塾に通っただけで成績が上がることも、ある。
 塾で集中し、塾の指示に従っても、成績が上がらないこともある。
 塾との相性・塾の指示への従順具合・自主学習など、複合的な要素で成績は決まる。」

 …何も言い切らない、回りくどい表現になってしまいますが、これが真実です。勉強という分野は、個人差の振れ幅があまりに大き過ぎて、一般化して考えることが非常に難しい。大切なのは一般論ではなく、自分の子供の現状がどうなのか。それだけを正確に把握し、次のステップアップが何かを考えることです。
ちなみに中学生に必要な自主学習の量については、

コチラの記事をお読みください
これくらいが当たり前!?受験生の理想の勉強時間とは。

 一つの目安は、「テスト前の自主学習量」!

“自主学習の量で結局決まるなら、塾に行かせる意味があるのかどうか迷ってしまう…”

 こう考えるお母さんも多いでしょう。そこで、一つの目安をご提示します。

それは【テスト1週間前~テスト当日は、毎日最低2時間勉強しているかどうか】です。

 テスト前でもあまり自学習をしない状態ならば、塾だけで成績があがる可能性は極端に低いと思ってください。塾に行かせるだけムダとなる危険性が高いと言えます。

 テスト前に毎日2時間以上勉強する子供なら、塾に通うことで解ける問題が増え、自学習により定着もでき、成績の向上が期待できます。

 今、塾を検討されているお母さん、まず子供のテスト前の状態を思い出してください。
テストの前日だけ必死にあがいているようであれば、塾に通う事だけによる成績の向上を期待しない方が良いです。
また、それでも塾を検討するのであれば、子供のそういった(最低限の動きができていない)部分にもきっちりメスを入れてくれるような塾を真剣に探す必要があります。

 この話は、今、塾に通わせていて、結果に満足していないお母さんも、同じです。

  • 理由① 塾選び  → 合っている。
  • 理由② 塾の授業 → 理解している。
  • 理由③ 塾の指示 → 従っている。

 上記3点をすべてクリアしていても、テスト前の自主的な勉強があまりに少ないのであれば、どれだけ長く塾に通わせても変化は起きません。塾を変えるなり、塾に相談するなり、何かしらの「状況の打破」をする必要があります。まず、理由①~③に対して、本当にクリアしているのか、改めて塾と相談することが大切です。

自主学習の重要性を強く強調しましたが、別の視点もあります。 自分では勉強をしない姿勢が、あまりに強く根付いてしまっている子のケースでは 塾に通うことで“最低限の学力(点数)をキープする”、という使い方もあります。 具体的には、数学が20点くらいの生徒が、塾の勉強だけで40点くらい取れるようになる、といったケースです。 成績の向上、というよりは、「やる気を出すキッカケ」や「(学力的に)取り返しのつかない状態を防ぐ」という目的で、塾の利用方法の一つと言えます。

個別指導塾に行っても成績が上がらない理由 ―結論―

これは持論ですが、「塾に通っても成績が上がらない」というワードが巷でよく聞かれるようになった理由は、塾の位置付けが変わったからだと思います。

昔(20年以上前)は、【塾=学校レベル以上の勉強をする場所、勉強したい子が行く場所】という位置付けでした。今回お伝えした塾で成績が上がらない理由①~④は、クリアしている子達ばかりだったわけです。自然と、「塾に通えば成績が上がる」が、当たり前の図式として定着しました。(…私の感覚では成績の良い子だけが、塾に行っていた気がします。)

今は、【塾=成績も学習意欲も、様々な子が行く場所】と、塾の位置付けが変わりました。それでも「塾に通えば成績が上がる」の図式が成り立てば話は早かったのですが…、勉強というものがそこまで甘いものではなかったということです。塾に通っても、勉強をする本人の意欲や学習習慣がないと、成績の劇的な向上は難しいという、現実が残りました。

もちろん、塾業界はこの現実に向き合い、様々なシステムの構築、子供のモチベーションを上げる工夫に、日々取り組んでいます。

まとめ

個別指導塾に通っても成績が上がらない理由について、塾選び・授業理解・塾の指示・自主学習の4つに分けてお伝えしました。

塾に通うだけで成績が上がれば、それが一番お母さんとしてもラクだと思います。しかし、成果が出ないのなら、やはり環境を変えなければいけません。

子供の現状を客観的に捉え、改善すべきところはさせる。塾に任せるところは任せる。改善すべきだが本人が動けないところは塾に相談する。塾のサポートシステムをフルに活用しても結果が出ないなら塾を変える。

本気で子供の成績をあげたいなら決して塾任せにせず、「どうすれば塾を100%活かせるのか」を考えることが大切です。

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