塾選びのポイント

中学生なら塾の夏期講習に行くべきなのか!?


中学生なら塾の夏期講習に行くべきなのか

中学生にとっての夏休みと言えば、プール。お祭り。花火。おばあちゃんの家。 …そして、塾の夏期講習。

塾に通う中学生が夏期講習に行くのはもちろんですが、塾に通っていなくても、「夏休み中だけは塾の夏期講習に行く」という中学生は多くいます。

果たして中学生達は、どんな目的で夏期講習に行っているのでしょうか。むしろ、そもそも、本当に夏期講習には行くべきなのでしょうか?

今回は、中学生は塾の夏期講習に行くべきなのか、徹底検証します!

~ 目 次 ~

夏期講習に行く人、行かない人

 夏期講習には、中学生なら皆行っているのでしょうか?…もちろん、そんなことはありません。まずは、どれくらいの中学生が夏期講習に行っているかを知っておきましょう。

 普段から塾に通っている中学生は、ほぼ全員が夏期講習に参加します。夏期講習に絶対参加の塾と、任意参加の塾があります。(多くの塾は絶対参加です。)

 では、塾に通っていない中学生は、どうでしょうか?感覚的には、塾に通っていない中学生の3割くらいが、夏期講習に参加します。図1をご覧ください。 どれくらいの中学生が夏期講習に行くの? 上記グラフ下段、【塾に通っていない中学生】の70%は夏期講習に行きません。また、「夏期講習のみ行く」は、文字通り、夏期講習には参加しますが2学期以降、塾に通いはしません。逆に、「夏期講習に行く」は、夏期講習を受講し、引き続き2学期から塾に通う中学生の割合を示しています。

短期的にも塾に行かない中学生は固定数います。その理由は、「塾には行かせない」という保護者の方針は固定的な性質だからであると、私は思います。つまり、何となく行かせないのではなく、「行かせない」という強い方針のもと、塾に行かせない方針を持つご家庭が、常に固定数いるということです。(もちろん中には、親は行かせたいのに、子供が嫌がっているケースもあります。)

学年別 夏期講習の利用動機ランキング!

夏期講習に行く人/行かない人がいると分かったところで、次に、「夏期講習に行く人は、どんな目的で行くのか?」について知っておきましょう。

中学生の夏期講習といっても、中学1年生と中学3年生では、その利用動機は大きく異なります。学年別に見た、夏期講習の利用動機を上位3つでランキングしました。

まず中学1年生部門からどうぞ。

1位は、「定期テストの点数が下がってきたから」です。中学校の勉強スピードと難易度は、小学校とは全くの別物。初めての定期テストは良くても、2回目のテスト(1学期期末テスト)から早速、急激な点数ダウンをする子は、多数います。

2位は、「色々な塾を検討したいから」です。成績の良し悪しに関わらず、今後の為、どんな塾が近所にあるのか知りたい、というケースです。個別形式か集団形式かを、検討されている場合も多いです。コチラもお読みください→個別指導塾と集団塾の違いとは?

3位は、「家では勉強しないから」です。

我が子の生活習慣から、「ウチの子、夏休み中、絶対にダラダラ過ごすだろうな…」と不安になって検討するケースです。とにかく夏休みの間、勉強する時間と環境を作りたい、という利用動機です。

1位~3位まで、基本的に“親基準”なのが、中1部門の特徴ですね。i2

1位は、中1ランキングと同じ「定期テストの点数が下がってきたから」。特に英語や数学といった“積み上げ科目”は、中1内容をしっかり身に付けた上で、新しい内容も習得せねばならない為、一度点数が下がると自分自身の力で持ち直すことが難しいのです。よって、塾へのニーズも「復習をして欲しい」という要望が急増します。

2位は、「本人が塾に行きたいと言い出したから」です。i3

周りのクラスメートが、どんどん塾に行きだすことへの焦り、受験に対する漠然とした不安などから、「塾に行きたい」と子ども本人から言い出すことが多くなる時期です。

3位は、「志望校にこのままでは届かないから」。中2の夏、そろそろ受験というものが保護者の意識に上がってきます。とはいえ、まだ中2。ニーズとしてそれほど多いわけではありません。

本人の成績状況によって、動機がバラエティに富む点が中2の特徴です。

1位は、「夏から受験勉強をしたいから」です。i4

中3の夏を、受験勉強のスタートと位置付けている人はたくさんいます。受験勉強と言っても何をすれば良いかわからないので塾に…、という流れです。

2位は「長期休みを利用し復習をしたいから」。表現は違いますが、実はこれは1位の「受験勉強」と殆ど同じ意味です。ただ、例えば定期テストでこれまで50点しか取ってこなかった中学生は、急に受験勉強という“表現”が出にくいものです。そういう意味で、「まずは、復習をして欲しい」という動機が、2位です。

3位は「適切な進路指導を受けたいから」です。これは、厳密には、夏期講習というものに対するニーズではありません。ただ、実際に夏期講習を検討されている中3保護者様は、ほぼ全員がこの要望をお持ちです。ママ友の噂や中学校の話だけでは不安、もっとウチの子の現状を細かく分析して進路指導して欲しい。そういった動機で、夏期講習にくる方は多いのです。

当たり前ですが、中3は、受験を意識して夏期講習を検討される方ばかりです。

夏期講習、行かなきゃダメ…?

「夏期講習に、絶対に行かなきゃダメですか?」そう聞かれたら、その答えは、「いいえ。そんなことはありません。」です。

先ほどのランキング内容それぞれに対して、“不安”がないのであれば、夏期講習に行く必要はありません。また、何かしらの“不安”があったとしても、それを家庭で解決できる見通しが立てられるのなら、やはり夏期講習に行く必要はありません。

ただ、ここで一つ、ややこしい問題が発生します。

それは、「子供の学力が、志望校の水準を満たしているかが、判りにくい」という点です。 これは中2の夏期講習利用動機の3位でもあり、中3の利用動機1~3位全てに関わることです。

言い換えますと、 「志望校に対し、現状維持で大丈夫なのであれば、夏期講習に行かなくてよい。」 「志望校に対し、現状維持ではムリなのであれば、夏期講習に行きたい。」 この判断がご家庭でできれば良いのですが、それが、なかなか難しい、ということです。

一つの解決策としては、模試を受けることです。模試をうまく活用すれば、塾に行かなくても志望校に対する現状の「学力の過不足」は、わかります。コチラをお読みください→模試を120%活用する方法

ただ、模試の結果は紙でもらう資料なので、見方が解りにくい部分もありますし、資料以外に知りたい事があっても、聞くことはできません。

そこで、別の方法をご紹介します。この方法は、費用がかからず、思い立ったときスグにできる方法です。“できる事なら塾に行かせたくはない。でも塾に行かないことで受験に失敗するのはもっと避けたい…!”そんなお母さんお父さんは必見です。

子どもを夏期講習に行かせるべきかどうかを判断する方法

我が子を夏期講習に、行かせるべきか否か。

その判断をする方法をご紹介します。

それは、『近所の塾3社以上に電話で、1つの質問をする』です。

1つの質問とは、 『現状の成績は○○なのですが、△△高校に、行けますか?』i5

です。

現状の成績は、定期テストや五ツ木模試、実力テスト…、情報は多いほどベターです。

塾の職員は、“モノを教えたい人間”であることが非常に多いです。(当然ですが。) その心理を利用して、受験情報をタダで聞いてしまいましょう。

ただ、注意が必要なのは「受験に対する楽観視・悲観視は、幅が広い」ということです。

上記の質問をA塾・B塾・C塾にしたとします。その返答例は、例えば以下のようになる可能性があります。

A塾の返答「その成績では、正直に申し上げて、△△高校は厳しいと思います。」

B塾の返答「その成績で△△高校なら、これからの勉強次第で無理ではないと思います。」

C塾の返答「それだけの成績がある子なら、毎年△△高校には合格していますよ。」

どうでしょうか。かなり、それぞれの塾の見解が違うように見えると思います。

“…なんだ。じゃあやっぱり、塾に聞いてもよくわからないじゃないか。”

そう思われるかも知れません。が、実はA塾B塾C塾の見立ては、どれも間違っていないのです。タネを明かすと、 「本人の現状の成績は、△△高校に対して、若干足りていない状態」ということです。

A塾の表現は、そのままです。そのままじゃ無理だ、という意味。 B塾の表現は、もうちょっと頑張れば大丈夫、そういう意味。 C塾の表現は、その程度の差なら夏以降に頑張って間に合う子が殆どだ、という意味。

どうでしょうか。どの塾も、嘘を言っていないことになります。

“…いやいや、そんな言葉のウラを読むようなこと、難しくて出来ないじゃないか。”

そう思われるかも知れません。そう思われるなら、聞く塾の数を5社でも10社でも、増やせばOK。安心したければ20社以上に聞いてみれば良いのです。そうすれば自然と、答えが見えてくるはずです。

実際は、大幅に学力が足りていない場合や、十分過ぎるほど学力が足りている場合は、数社に聞いた時点で、その感触がわかるでしょう。先ほどの例は、「本人の現状の成績が若干足りていない状態」という微妙な状態だったため、表現に差が出やすく、判断が余計に難しかった、という面もあります。

電話するだけで、自分の子どもの現状学力が解る!必要ないと分かれば、無駄に夏期講習に参加してお金を失う事もありません!ネットにも載っていないウルトラCです。

事前にある程度、我が子の実力(偏差値)が知りたい!という方は、こちら→高校偏差値早見表(最新版)

夏期講習の塾選び

夏期講習に行くとなったら、塾選びが必要です。これがまた、面倒です。何せ、パンフレットやHPを見ても美辞麗句が並ぶばかりで、あまり具体的な違いが解りません。

メビウスコラムでは、塾選びについてのたくさんの記事を掲載してきました。
気になる夏期講習の費用、その相場とは?
夏期講習の一番かしこい使い方!
もう迷わない!中学生の塾選びのポイント

今回は夏期講習という点に絞って、塾選びのコツをお教えします。

最適な塾選びをする為には、夏期講習に行く目的を、明確にすることが先決です。 先ほどの「夏期講習参加動機ランキング」から、動機を三つ抽出して考えてみましょう。

目的① 定期テストの点数が下がってきたから

目的② 色々な塾を検討したいから

目的③ 志望校にこのままでは届かないから

上記三つの目的に対して、どのように塾を選ぶべきか、ご紹介します。

目的① 定期テストの点数が下がってきたから

    ⇒点数によって、塾の指導形態を選ぶべし!

まずはコチラをお読みください→成績によって、合う塾は変わる!非常におおざっぱにまとめますと、以下の通りです。

定期テストの点数が…
とても高い(90点以上)→ 大人数集団形式
高い(80点以上)→ 集団形式・1:3以上の個別
ふつう(70点前後)→ 少人数集団形式・1:3以上の個別・1:2の個別
低め(50点前後)→ 1:2の個別・1:1の個別
かなり低い(30点未満)→ 1:1の個別・家庭教師

目的② 色々な塾を検討したいから

   ⇒やみくもに体験せず、3社程度に絞って検討すべし!

長いとは言え、夏休みは4週間くらい。夏期講習の期間はどんなに短くても、1社あたり5日間程度はあるものです。申込前に出来るだけ精査し、3社程度で比較するのが一番かしこいと思います。

個別指導塾で検討するなら、「1:1」「1:2」「1:3以上」で検討するのもよし。 「1:2」に絞るなら、その中で費用が「高い」「相場」「安い」で検討するのもよし。 単純に、家からの近さが「一番」「二番」「三番」で検討するのもよしです。

集団塾で検討する時、一番気にすべきは本人の学力との「マッチング」です。近所で評判の「賢い子がたくさん行く塾」で検討するのも良いですが、その中で埋もれてしまう可能性がないか、には注意が必要です。これは私立高校でも起こる(起きている)話です。

集団塾も私立高校も、「進学実績」を、自校の宣伝材料にしていることが多いです。それは決して悪いことではありませんが、それが過熱すると「下のクラスの生徒が放っておかれてしまう(キチンと面倒を見てくれない)」という状況が、しばしば起きるのです。i6

よって、集団塾で検討するなら、 (本人にとって)「ハイレベル」・「妥当」・「余裕(がありそう)」 の3社で夏期講習に参加し、学力のマッチングを体感しましょう

目的③ 志望校にこのままでは届かないから

  ⇒志望校のレベル(五ツ木偏差値)が、55以上なら迷わず集団塾へいくべし!

志望校が明確にあり、かつ、そのレベルが55以上なら、集団塾の夏期講習に行きましょう。先ほどから繰り返しになりますが、学力が高いなら集団塾に行く方がよいのです。  学力が高い場合、個別指導に行ってはいけない訳ではないのですが、集団塾に行けば伸びたかもしれない部分(伸びしろ)が、個別指導では伸びない可能性があります。

逆に、偏差値が54以下の高校を目指すのであれば、個別指導塾でも何の問題もありません。(もちろん、集団塾で検討しても良いです。)

また、集団塾でも個別指導でも、“その土地で何年目か”は、一つの基準になることがあります。つまり、近隣の高校レベルのi7把握において、“事実、どれくらいのレベルの生徒が進学してきたか”という生(なま)の情報を持っているメリットを期待できるという事です。

…ただ、その教室自体が長いからと言って、職員がコロコロ変わっているようだと、また話は別です。

ちょっと聞きづらいかも知れませんが、「先生は、いつからこちらの教室に…?」と、思い切ってきいてみるのも手ですね。

夏期講習だけを受けてもいいの?

冒頭でも少し触れましたが、夏期講習だけを受ける子はいます。夏期講習だけを受けることはもちろん可能です。ただ、図1のグラフでもわかる通り、塾に通っていない中学生で夏期講習を受けた生徒の多くは、引き続きその塾に通います。その割合は、6人に5人くらい。つまり、本当に夏期講習だけを受けてその後、塾に通わない人はそれほどいないことになります。

この要因は「そもそも塾に通う意思がありそのスタートが夏期講習だったパターン」が多いからです。他には、本当は通う気は無かったが、夏期講習の印象が非常に良かったために通うことになるパターンもあります。むしろ、本人がその塾を気に入るかどうかを知る目的で、夏期講習を検討する保護者様も多いです。

まとめ

中学生を対象とした夏期講習は、塾にとっては“書き入れ時”。普段よりも明らかにお得な条件を設定している塾がたくさんあります。(○千円で、○回授業が受けられます、など。)塾には通わない方針のご家庭でも、料金と詳しい授業内容を知れば、「おっ。これなら、行ってみても良いかも…?」と思うものがあるかもしれません。

家で一人で勉強するのも良いですが、せっかくたくさんの時間がある夏休みですから、気軽な気持ちで夏期講習だけ参加してみるのも、発見があって良いと思います。ご本人に合った塾選びができれば、生徒同士で刺激し合う経験や、素晴らしい先生との出会いが待っているかもしれませんよ!

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